瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Mar 8, 2017

関西学院大学理工学部 臨海実習 (8/15-19)

Posted by TPS


最近暖かくなってきましたが,せとブロでは暑かった夏についてのご報告です.ペースを上げなくては….

8月15日~19日にかけて,関西学院大学の臨海実習がおこなわれました!

この実習のメニューは,磯生物の観察・解剖,ウニの発生実験,プランクトンの採集・観察などです.

関学の実習は時間をフル活用します.白浜に到着後,荷物を置いたらすぐに採集に出かけます.

しかしこの日の午後は既に潮が満ちており,ご覧のとおり磯は水の中でした.足首まで浸かっちゃっています.

それでも岩場に固着するカメノテを採集し,大和先生の指導のもと解剖とスケッチの始まりです.

もちろんこのカメノテ、爬虫類じゃありません.エビ・カニと同じ甲殻類です.蔓脚は何対あったかな?

交尾針や尾部付属肢まで観察できたでしょうか?

この日の実習は22時まで続きました.初日から充実していますね.


2日目は西脇先生によるウニの発生に関する講義から開始です.

そしてアセチルコリン法による採卵・採精にチャレンジです.まずは西脇先生のデモンストレーションです.

今回の実習ではムラサキウニさんに協力していただきました.おなじみの散髪(棘)タイムです.

そしてアセチルコリンを体腔内に注射します.それにしてもポスターにも使えそうな良い構図です.

綿密な水替え計画のおかげで,無事に卵割が進んでいきました.

この日も観察・スケッチは夜遅くまで続きました.


3日目の朝にはプルテウス幼生にまで成長していました.偏光板を通して見ると,骨片の輝きが
美しい….

この日は内田先生によるプランクトンの講義を受け,実際に採集と観察を行います.

海水浴でも溺れているわけでもなく,立派な採集です.プランクトンネットを曳きながら泳ぐのは,抵抗が強くて重労働なのです.

お疲れ様でした.このようにちゃんと網を曳いていたのです.

プランクトンネットの末端には「コッドエンド」という円柱容器が付属しています.採集物は最終的にこの中に集められます.さぁ,うまくプランクトンは採集できたでしょうか?

実験所にもどってからは,顕微鏡で観察・同定です.白浜周辺の様々な地点から収集されたサンプルからプランクトンを拾い上げて同定していきます.

オべリアクラゲに繊毛虫、甲殻類もチラホラ.今回は大漁のようです.


4日目は畠島に渡り,磯生物の観察と採集を行いました.4日目となると,表情にも余裕が感じられます.

畠島分室にある伝統の黒板の前で,大和先生から島の生物相についてレクチャーを受けます.

この黒板については,実験所HPの詳しいコラムをご参照ください (http://www.seto.kyoto-u.ac.jp/smbl/setubi/column_kokuban.html).

潮もよく引いていて,絶好の磯採集日和です.

畠島では,タイドプールはもちろんのこと,岩礁,礫地帯,砂泥帯などあらゆる生息環境を一望できます.是非,瀬戸臨海実験所を実習にご活用ください(宣伝).

まさに「夏」という入道雲ですね!

採集物を持ち帰ると,実験所で同定作業が待っています.「白浜の海岸生物観察ガイド」も大活躍です(宣伝).

巨大なタツナミガイや色々なナマコが採集されました.

色々な…,えっ?  いや,ナルトキントキというナマコでしょう,きっと….

ウニも様々な種類が採集されました.

えーと、や、山のウニですね.白浜ではクリと呼んでいます….

頑張って採集した分,同定作業も大変です.ちゃんと同定できたかな,あのムラサキ色の固いナマコ….

貝を同定する際には,歯ブラシで殻表面についた藻類などを洗い流す作業も有効ですね.


最終的には黒板をはみ出すくらいの生物を採集・同定することができました.その数なんと約130種!海洋生物の多様性の一端を感じとれる結果となりました.

本当にお疲れ様でした.

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