瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Sep 17, 2016

祝! 佐藤 崇さん 論文出版!!

posted by AA

瀬戸臨海実験所教育拠点研究員の佐藤 崇さんが,論文を出版されました.
 おめでとうございます!

論文タイトルと概要は以下の通りです.

⬛︎ Dual Foraging Strategy and Chick Growth of Streaked Shearwater Calonectris
leucomelas at Two Colonies in Different Oceanographic Environments.

Daisuke Ochi , Kei Matsumoto , Nariko Oka , Tomohiro Deguchi , Katsufumi Sato , Takashi P. Satoh , Fumihito Muto and Yutaka Watanuki

Ornithological Science, 2016,15(2):213-225.
DOI: 10.2326/osj.15.213

URL: http://www.bioone.org/doi/10.2326/osj.15.213

オオミズナギドリの親が海洋環境の異なる2箇所の採餌場を使い分けるという戦略とその際の雛の成長率との関係について解析した論文です.私は親鳥の胃内容物に対する分子同定手法の開発と解析を担当しました.大型の海鳥であるオオミズナギドリは,産卵し雛が巣立つまで餌場となる海域と繁殖地を行き来します.この論文では,暖かい黒潮流域にあるが周囲の餌環境は非生産的な伊豆諸島御蔵島と,冷たい親潮流域にあり餌環境が恵まれている岩手県三貫島の2繁殖地点間の採餌パターンの違いや親子間の投資配分についての比較を行っています.



 ⬛︎ Redescription of Lagocephalus cheesemanii (Clarke 1897), a senior synonym of Lagocephalus gloveri Abe and Tabeta 1983, based on morphological and genetic comparisons (Actinopterygii: Tetraodontiformes: Tetraodontidae).

Keiichi Matsuura and Takashi P. Satoh

Ichthyological Research, First online: 07 September 2016.
DOI: 10.1007/s10228-016-0547-2
URL: http://link.springer.com/article/10.1007/s10228-016-0547-2

 
 サバフグ属 Lagocephalus はフグ目フグ科に属するグループで世界中で10種が知られています.そのうち日本近海産のシロサバフグ,クロサバフグの2種は無毒のフグとして食用に流通しています.クロサバフグには従来,Lagocephalus gloveri (Abe and Tabeta, 1983) という学名が適用されてきました.しかし,形態データとミトコンドリアゲノムの解析によって,南半球のオーストラリア東部とニュージーランドに分布する Lagocephalus cheesemanii (Clarke, 1897) と同種であることが判明しました.クロサバフグは赤道域にも分布しているので,日本からタスマン海まで広域に分布していると思われます.
 なお,近縁種のシロサバフグは Abe, Tabeta and Kitahama (1984) によって Lagocephalus wheeleri という学名で新種として発表されました.しかし,この学名も最近になって Lagocephalus spadiceus (Richardson, 1845) のシノニムであることが分かりました (Matsuura, 2010).というわけで,日本から新種として記載されたサバフグ属の2種は両方ともシノニムとなってしまい,この属には9種のみが認められることになりました.

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