瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Jun 8, 2016

第6回「神戸賞」の授賞式 「母娘協力して子育てを行うカニの研究」

第6回「神戸賞」の授賞式がホテルオークラ神戸で行われました。また記念講演会 「娘とともに子育てをするブロメリアガニの驚きの生態と進化の道筋」が、行われました。
(Speial thanks!  写真は須磨水族園から提供を受けました。)

 受賞者のRudolf Diesel博士は、海産、陸生のさまざまなカニ類の社会行動を研究し、珍しい生態を以下のように明らかにしてきました。

有名なブロメリアガニMetopaulias depressusはアカテガニに近いなかまで、陸生のカニであり、ジャマイカの固有種でブロメリアの葉の根元にある水たまりに、幼生を放ち育てます。育てるのは母カニですが、通常、1匹のメスのヘルパーがおり、これは母カニの最初のバッチのなかの一匹です。それが次からのバッチの子供を育てます。世話は、水たまりに落ちてくる葉やゴミを取り除く、幼生を食べにやってくるムカデやコオロギを撃退する、またそれらを捕まえてハサミでちぎり子ガニに与える、水が酸性にかたむかないようカタツムリの貝殻をいれて中和して中性を保つ、などです。

Diesel博士は、さらにカタツムリの貝殻にたまった水のなかで幼生を育てるカニSesarma jarvisiを発見しました。本種は陸生のカニで、アカテガニに近いなかまです。ジャマイカの森林地帯の石灰岩質の場所に生息します。ここに生息するカタツムリの貝殻にたまった水の中に、メスガニは幼生を放ち、およそ2〜3ヶ月もの長期間その貝殻と子ガニを守ります。これはブロメリアガニに次ぐ幼生とカニを母カニが守る種の発見でした。

また、Diesel博士は、潮間帯の上部にある岩のくぼみで子育てをするカニArmases miersiiを発見しています。これはジャマイカの海岸地帯に生息するアカテガニに近い仲間です。本種は岩礁潮間帯の上部にある水のたまった岩のくぼみに、メスガニは繰り返し繰り返し幼生を放ちます。この水たまりは、塩分濃度やpHや水温の変化が非常に激しいが、その幼生はそうした厳しい環境に適応した特殊なものです。

Diesel博士の研究で、若いころのものとして、彼を一躍有名にしたのはパトロールシステムとよばれる配偶様式をもつカニの発見です。これは浅海性のクモガニの一種Inachus phalangiumです。このカニのメスは大型のイソギンチャクに共生しています。一方オスは共生性でなく自由生活をしている。オスは、メスをその宿主のイソギンチャクごと防衛します。大型のオスは複数のメスとそのイソギンチャクを防衛し、その縄張りをいつもパトロールしています。

授賞式に先立ち、この神戸賞の設立者である須磨水族園の亀崎直樹氏より、賞の概要の説明がありました。


受賞理由が説明されます。


表彰式、表彰状の授与


記念トロフィーの授与


関係者による記念撮影

受賞記念講演。ブロメリアガニについてです。


受賞記念講演

皆さんで記念撮影


懇親会。司会は宮嶋彩さん





懇親会のようす



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