瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Jul 14, 2015

論文出版

by KM

最近、私が著者に入った論文2報が出版されました。

一つは"18S analysis of the taxonomic position of an endoparasitic pycnogonid, Nymphonella tapetis (Arthropoda: Pycnogonida: Ascorhynchidae)"という題名で、Journal of Crustacean Biologyの35 (4): 491-494頁に掲載されました。これはカイヤドリウミグモの分類学的位置について18Sを使って調べた内容で、昨年ドイツの国際甲殻類学会で発表した内容をextendしたものです。従来の解析に比べタクソンサンプリングを改善し、カイヤドリウミグモが属するトックリウミグモ科の単系統性は強固となりましたが、まだ科内の属レベルのサンプリングが不十分で、しかも18Sしか用いていないこともあり、カイヤドリウミグモについてはトックリウミグモ科の中のaberrant formであるということ位しか言えない、まだpreliminaryなものです。これを発展させるには、カイヤドリウミグモ属とその周辺のサンプルの充実が必要ですが、これについては今後海外でのサンプル調達を試みなければなりません。

もう一つは琉球大ポスドクのというより動吻動物の山崎博史さんと、クマムシの藤本君との共著による"Phylogenetic position of Loricifera inferred from nearly complete 18S and 28S rRNA gene sequences" Zoological Letters 1: 18 (9 pp.)です。このZoological Lettersという雑誌は、日本動物学会が満を持して創刊したオンラインオンリー、完全フリーアクセスの雑誌で、従来からあるZoological Scienceとの違い(住み分け)については、こちらをご覧下さい。現在も議論が続く胴甲動物の系統的位置について、藤本君採集の新規個体からの配列を加え、18Sと28Sのほぼ全長を使って議論しています。決定的とまではいきませんが、胴甲動物の、更には脱皮動物内部の系統関係に関する議論に一石を投じる内容です。

以上、お知らせまで。

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