瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Sep 21, 2014

行ってきましたフランクフルト(前編)

by KM

 8月の16~25日にかけ、ドイツはフランクフルトへと行ってまいりました。もちろん白浜の海で天真爛漫に遊んで暮らしていたら、なぜか大富豪のお嬢様の遊び相手としてスカウトされたからではなく、フランクフルトのゲーテ大学Johann Wolfgang Goethe-Universitätという所で開催された8th International Crustacean Congress (ICC-8)で発表するためです。

 今回の学会バッグです。ゲーテ大学は今年が創立100周年。ドイツの大学としては、新しい方でしょうか。今回はTシャツやマグカップといった、学会グッズの販売が全く無く、とても残念でした。

 しかしウミグモ学者である私が、なぜライバルである(と勝手に思っている)甲殻類の学会で発表をするのかといいますと、今回のこの学会では"Marine Chelicerata"すなわち「海産鋏角類」というタイトルのSpecial Symposiumが開かれ、(おそらく)世界中からウミグモとカブトガニの研究者が集うからなのです。

 で、南紀白浜→羽田→成田→フランクフルトというルートで、会場へと到着いたしました。

 大会は自然科学系のキャンパスでは無く、なぜか哲学・神学・歴史学系のキャンパスで行われました。あとで調べると、自然科学系のキャンパスは町の中心部から相当離れたへんぴな場所にありました。郊外に新キャンパスが出来た時は、工学系や自然科学系がそこへ移らされるのは、大体どこも同じですね。

それほど広くはありませんが、緑が多く、なかなかいい感じのキャンパスです。
メイン会場の入口。看板が控えめに掛かっています。
キャンパス内の広場には、なにやら哲学的なオブジェが。
海産鋏角類のシンポジウムは大会二日目にありました。

会場は大学の教室ということで、やや殺風景です。
世界中の全てのウミグモ学者が、というわけにはいきませんでしたが、それでも久々に会う人やら、論文で名前を知っていたが初めて会う人がちらほらと。
上の写真で、手前のこちら向きが、今回のシンポジウムのカブトガニ側convenerであるデンマークAarhus大学のPeter Funch博士、背中を向けているのがウミグモ側のオーストラリアQueensland博物館のClaudia Arango博士です。Claudiaさんとは2010年にオーストラリアで会って以来となります。
 奥の左端はドイツRuhr大学BochumのLars Dietzさん、その右はスペインBarcelona自治大学のAnna Soler-Membrives博士です。どちらも初対面の若手研究者で、嬉しい新規ウミグモ参入組です。
 打って変わって右側はベテラン勢。手前は動物分類学会でも紹介した中村光一郎先生ご夫妻、その後方右端はドイツAlexander König博物館のFranz Krapp先生です。Krapp先生には、1999年の私のポーランド在外研究期間中に、一度ボン郊外の先生のお宅に家族で泊まらせてもらったことがあり、その後も研究面で大変お世話になっていますが、実際お目にかかるのはその時以来15年ぶりとなります。中村先生、Krapp先生とも特にウミグモの分類学の発展に大いに貢献された大御所で、他の若手研究者の人たちも大きな尊敬を持って接していました。

 発表も無事終わり(としておきましょう)、この日の夜は学会のreceptionです。
会場は、市内にあるゼンケンベルク自然史博物館Senckenberg Naturmuseum。恐竜の展示が特に有名です。

会場前でウミグモチームの集合写真です。シンポジウムの写真で紹介してないのは、前列左端のドイツRuhr大学BochumのFlorian Leese博士。Larsさんの指導教員で、広く水生動物の分子生態学や系統地理学を手がける気鋭の研究者です。それから後列左端のロシア国立Moscow大学のEkaterina Bogomolova博士。ウミグモ類の特に幼生の形態と進化に関する様々な業績があります。前列右端の女性もLeeseさんのところの学生さんなのですが、発表が無かったこともあって、名前を失念してしまいました(スミマセン…)。

 
さて中へ入ろうかと思ったら、フクロムシの琉球大吉田君の姿が。まあ甲殻類の学会なので、私がいるより彼がいる方がむしろ自然なのですが。ちなみに彼が大会期間中ずっと着用していた緑ジャンパーは、学会会場でかなり目立っておりました。

Receptionは博物館地下1階のフロア、恐竜化石(のレプリカ)が立ち並ぶスペースで行われました。

お偉いさんの挨拶が続いていると、なぜか遅れてやってきたデンマークCopenhagen大学のJens  Høeg博士の姿が(壇上右から二番目)。この後彼は挨拶が続く中、その前を通ってそそくさと階下へ降りてきました。

ウミグモチームのテーブルです。Receptionではドイツなのにビールが全く出ず、お酒はワインのみでした。フランクフルトを流れるマイン川の上流は、有名なフランケンワインの産地で、特に白がきりっとした辛口で美味しかったです。

 ICC-8はまだまだ続きますが、長くなりそうなので残りは後編にて。