瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Jun 19, 2013

祝! 千徳明日香さん 学会賞受賞!

posted by AA

千徳明日香さんが、学会賞を受賞されました!

日本古生物学会2012年度論文賞

Sentoku, A. and Y. Ezaki.  2012.  Regularity in budding mode and resultant growth morphology of the azooxanthellate colonial scleractinian Cyathelia axillaris: effective and adaptive ways of utilizing habitat resources. Paleontological Research. vol. 16, no. 3, p. 252-259.

 本研究では,樹状形態の非造礁性群体六射サンゴであるビワガライシ科Cyathelia axillaris(フタリビワガライシ:図A,-C)を用い,出芽(無性生殖)様式と成長様式の解明を試みました.


 フタリビワガライシは有性生殖に由来する最初の個体から,出芽により二又分岐を繰り返し,樹状の群体を形成します(図C).親個体は,自らの先端部に対の娘個体を分岐させ,上方へは成長しなくなります.出芽部位では,親個体の二次隔壁が莢部周囲に明瞭に張り出し,娘個体はそれらの隔壁を自らの方向隔壁(一次隔壁)として利用します(図D).同様に樹状形態を示すキサンゴ科内の多くの種では,娘個体の方向隔壁は,親個体の成長方向に対して直交に配置します.その一方で,フタリビワガライシの場合,娘個体の方向隔壁は,親個体の成長方向に平行に配置します(図D).このことにより各出芽個体は,より効率的に骨格を形成・維持することが可能になっています.


   フタリビワガライシは,二又分岐という最も単純な二次元パターンを採用しつつ,分岐時に方向隔壁で示される軸が90度ずれることで,各個体間での癒合や重なりを回避して分散し,より三次元的な構造を効率的に構築しています(図E).さらに,分岐後に親個体の成長は限定的になる一方で,出芽個体の利用可能な空間が確保され,個体数を増加させるために都合のよい群体形態を示していることが明らかになりました.

論文賞受賞式は日本古生物学会2013年年会・総会2013年6月28日(金):熊本大学百周年記念館で行われます。


これまでも千徳さんは、下記のような学会賞を受賞されています。


日本古生物学会優秀ポスター賞
 千徳明日香・江崎洋一,非造礁性群体六射サンゴの成長規則性-出芽の様式-.日本古生物学会2008年年会・総会.仙台.2008年7月.

日本地質学会優秀ポスター賞
 千徳 明日香・後藤 慎介・江崎 洋一,徳田 悠希, 非造礁性六射サンゴにおける出芽による無性増殖様式と群体形成.日本地質学会第119回学術大会.大阪.2012年9月.

さらなる情報は千徳さんのホームページで
  http://asuka-sentoku.com/Coral_Time.html
  (ブログ http://coral-time.blogspot.jp/


さあ皆の衆、この大器の登場を刮目して見よ!