瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Apr 10, 2013

公開臨海実習「海産無脊椎動物多様性実習」

posted by Mokanishi

3月25~30日に公開臨海実習「海産無脊椎動物多様性実習」が行われました。

この実習では、夏に行われる実験所所有の無人島「畠島」での磯観察、 田辺湾で採集されるプランクトンの観察、所周辺のメイオベントス(体長32~64μmのふるいに残る生物*)の観察、及び干潟の生物の観察に加え、近くの南部町境漁港のエビ刺し網にかかる深場の生物の観察も行います。
*注 「メイオベントス」の定義にはこの他にもいろいろあるそうです。


3月25日
実習一日目のレクリエーション。
番所山の頂上部では桜が満開でした!
春はすぐそこです。

3月26日
実習船ヤンチナの上から田辺湾のプランクトン採集。
興田技官の熟練の技により、まるで吸い込まれるように
プランクトンネットに獲物がかかります。

学生もチャレンジ!
「若いの、なかなか筋がいいな…。」

採集したプランクトンは速やかに採集容器へ。
「何が採れたかな~!?」
実習室へ帰ってのお楽しみですね。

畠島に到着。早速磯観察です。
今回は妙に手練れが多い!
自前の戦闘服(作業着)持参の強者もちらほら。
一番手前は引率の中野先生!

なんとこんな大きなマダコ(?)まで!!
岩陰に隠れていたんだとか。
駆けつけた時には既に〆られていました。
ちょっと猛者すぎない!?

磯観察が終わってのんびり堤防で昼食。
天気にも恵まれました。

3月27日
朝から南部の堺漁港へ。
大和先生の「ヤギ」の説明。
山羊を想像した方は実習への参加をお勧めいたします。

その足で干潟へ。
監督の朝倉先生に見守られ、スコップで干潟を掘りまくる戦士たち。
残念ながら汎用干潟兵器「ヤビポン」は奮わず…。

あ゛ーーー!!!
攻めすぎた!!
幾人もの戦士が、涙と共に干潟に飲み込まれました。

3月28日
実験所に戻り、採集した生物の観察および同定。
新しく購入した「干潟の絶滅危惧動物図鑑」が活用されています!

むむ、大和先生と久保田先生が学生さんと何かを見ています。

カサガイの歯舌(しぜつ)です!
カサガイ類(中野先生のご専門)は巻貝の仲間で、
ヤスリのようなこの長い歯舌で岩の上の藻類などを
なめるように削りとって食べています。
どうやらこの形と数と配列で種が定義されているようです。

同定した生物の発表会。
大和先生が記載された「ナガタメリタヨコエビ」を同定した武士(もののふ)が!

なんと、畠島から84種もの生物を見つけだしました!
大和先生もこの笑顔です。

3月29日
宮崎先生によるメイオベントスの説明。
おや、学生さんに混じって…?
人生是常に勉強なのです。

惜しまれつつ3月で実験所を去ったメイオ界の不動のエース、
藤本君によるメイオベントス採集法の実演。

極細の金属線をひねって「アーウィンループ」を作成中。
極小のメイオベントスはピンセットでつまめないので、
金魚すくい的にこのループでピックアップする必要があるのです。

氷冷法実践中。
これでとある微小生物を狙ったのですが…。
残念、採れませんでした。

しかし流石エース!キッチリ自分の研究対象を捕獲しました。
横を向いていますが、脚が四対あってプニプニしているので、
クマムシとわかります!

様々な方法で採集を試みると、実験所周辺には驚くほどたくさんの生きものが生息しているのが良くわかります。そして、それらの生きものは、調べれば調べるほど新たな側面を見せてくれます。学生さんたちと共に自然史学の基本に立ち返ることの出来た、有意義な実習でした。

ところで、今回のソルジャー達は、InvertebratizeするまでもなくInvertebratesでした。日本は安泰です。