瀬戸臨海実験所公式ブログ ‐ 地球の海と生命を科学する人々の日常。

Nov 9, 2012

クモヒトデの悲劇

研究員のMokanishiです.

今日は少し珍しいものを見たので紹介してみたいと思います.

所内の水槽で研究用にクモヒトデを飼育しているのですが, いかんせん地味な生き物で,いつも岩の隙間などに隠れているため水槽がさみしくなってしまいがちです.そこでお魚やヒトデやエビなどいろんな生き物と一緒に飼っているのですが,今日の夕方水槽をのぞいてみると...?


水槽の天井の裏側にヤツデヒトデがいひっついてるけど,なんか様子がおかしい...

ん!こ,これは!!!


























クモヒトデ(赤の囲み)がヤツデヒトデに食われとるぞ~~~!!

わかりますか!?わかりにくいですか!?



































おそらく最高にわかりにくいと思うので,白い容器の上に取り出してみた画像がこちら.取り出される際にびっくりしたのか,ヤツデヒトデ(左)はすぐさまクモヒトデ(右)を解放し,そそくさと逃げていきました.ちなみにヤツデヒトデは体半分を再生中です.









こちらが解放されたクモヒトデ.腕は千切れ,体の真ん中の盤は破け,体内の骨が見えてしまって燦燦たる状態です.生きてはいますがギリギリの状態でした.再生能力が高い事で知られるクモヒトデですが,この状態からだと復活できるかどうか...今後の彼から目が離せません.

ヤツデヒトデが胃を反転させてクモヒトデに押しつけていたので,捕食行動であることはほぼ間違いないと思いますが,それにしてもクモヒトデを食うとは.普通は貝などを好んで食べるようですが,クモヒトデは動きが速いし,骨骨であんまりおいしくないのでは?

偶然弱っていたから捕食できたのか,それとも私の知らない間に一匹また一匹とやられていたのか.あるいはもう他に食うものがなかったのか.そういえば時々水槽からクモヒトデが脱走していたのは,ひょっとして...?謎は深まるばかりです.誰かヤツデヒトデに詳しい人がいたら教えてください.

以上,偶然見かけたクモヒトデの悲劇でした.彼(多分ニホンクモヒトデ)はこれからどうなってしまうのか.生きていたらキッチリ同定してまたレポートしたいと思います.